
相続税とは?
まず、相続税とはどのような税金でしょうか。
相続税とは、個人(相続人等)が、亡くなった人である被相続人より相続や遺贈などで遺産を取得したときに、取得した財産に対して課される税金のことです。財産を取得した人ごとに相続税の納税額を算出します。相続税の計算には順序通りに行わないと正しい納税額が計算できません。具体的に計算方法を確認していきましょう。
相続税を計算するにあたり大事なのは適正な評価額
相続税を計算するにあたり、各人(相続人等のこと)が取得する財産の課税価格の合計額を算出しますが重要なのは、それぞれの財産の評価額を正しく算出することです。この評価額が正しくないと、正しい相続税の納税額を計算することが出来ない上、納税額が少ないとペナルティとしての税金を課せられる可能性もあります。
プラスの財産とマイナスの財産
相続の対象となる財産にはプラスの財産とマイナスの財産があります。簡単に言うと被相続人が持っていた資産がプラスの財産、借金等がマイナスの財産ということです。以下がそれぞれの財産の内容にあたる一例です。
- プラスの財産 不動産・借地権・金融資産・動産・著作権・その他
- マイナスの財産 借金・住宅ローン・保証債務・滞納している税金等
なお相続税を計算する上では非課税財産(墓地・国等への寄付財産当)とみなし相続財産(死亡保険金・死亡死亡退職金等)も気を付けて確認しましょう。非課税財産はその名のとおり相続税の課税対象となりません。またみなし相続財産は被相続人が亡くなった時点で所有していない財産にはなりますが、税法上は相続財産として扱われます。ただしみなし相続財産は一定額まで非課税になります。
相続税計算の流れ
相続税は以下の順番で計算していきます。
①各人の課税価格の計算
まず、各人の課税価格を確認します。課税価格は、相続や遺贈及び相続時精算課税に係る贈与財産等の財産を取得した人ごとに計算します。この計算を行うためにはそれぞれの財産の評価をしっかりと把握しておく必要があります。
気をつけたいポイントが以下の二つです。
1.相続開始前3年以内の「暦年課税に係る贈与」
相続又は遺贈により財産を取得する相続人等が上記の贈与を被相続人より受けている場合は、その取得した財産の価額も相続税の課税価格に含めます。
2.相続時精算課税の特定贈与者が死亡した場合
もし相続時精算課税の受贈者が特定受遺者が亡くなった時に相続又は遺贈により財産を取得しないとしても、相続時精算課税の適用を受けて贈与された財産は、この相続又は遺贈によって取得したものと同じようにみなされます。なお価額は贈与時を適用して相続税の課税価格に算入しますので、注意が必要です。
②相続税の総額の計算
1.各相続人の課税価格の合計 = 課税価格の合計額
2.課税価格の合計額 - 基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)
= 課税遺産総額
相続税は課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いた額に対して課税されます。平成27年度1月1日以後に相続開始の場合、基礎控除額の計算は以下のように定められています。基礎控除額を計算する上でも戸籍で相続人を確定しておきましょう。
基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)
*法定相続人の中に相続放棄を行ったものがいたとしても、この法定相続人の数にに含んで計算することが出来ます。
*被相続人の養子に関してはこの数に含むか別途決まりがあります。
3.課税遺産総額 × 各法定相続人の法定相続分
=法定相続分に応ずる各法定相続人の取得金額(千円未満切り捨て)
相続税を計算する上で重要なポイントです。実際取得する財産総額と異なるのですが、どのように分配しても、それぞれの相続において公平な相続税額となるように、一度法定相続分で法定相続人がそれぞれ取得したものとして課税遺産総額を割り振ります。
例 課税遺産総額が1億円として、法定相続人が妻、長男、次男の場合
妻 1億円×1/2(法定相続分)=5000万円
長男 1億円×1/4(法定相続分)=2500万円
次男 1億円×1/4(法定相続分)=2500万円
4.法定相続分に応ずる各法定相続人の取得金額 × 税率 = 算出税額
上記で計算した法定相続分で割り振った個々が取得する額に相続税の速算表より税率をかけ、相続税の具体的な金額を算出します。
5.各法定相続人ごとの算出税額の合計=相続税の総額
4で算出した各人の相続税額を合計し、総額を計算します。
③ 各人ごとの相続税額の計算
相続税の総額× 各人の課税価格 ÷ 課税価格の合計額 = 各相続人等の税額
②では相続税の総額が計算できましたが、ここから財産を取得した人の課税価格に応じて按分し、各人が支払う相続税額を計算します。
④ 各人の納付税額の計算
③で各人の相続税額を算出しましたが、その税額を元に、個々の状況に応じて税額軽減や、2割加算を行います。これらを得て計算された額が各相続人等が納付すべき税額になります。例えば配偶者であれば配偶者の税制軽減を適用することができますし、また未成年者や障がい者にも控除があります。
注意すべき点として2割加算のルールです。
相続税のルールの中には、税額控除を差し引く前の額にその20%を加算する対象が定められています。これは財産の取得者が被相続人の「配偶者又は一親等の血族」でない場合です。つまり父母、子供以外の人が財産を取得する場合は1.2倍かかるということです。なお2割加算は税額控除より先に加算されます。
またこの20%加算は、子供が被相続人の死亡以前に死亡しているときの孫(つまり、その子供の代襲相続人として相続人になったその子供の子のこと)については加算は行いません。代襲相続人ではなく、孫でも被相続人の養子として相続人になっている場合は加算の対象になります。
また最終的に各相続人等の納付すべき税額が0より下回った場合は税額の還付をうけることができます。
相続税の計算はまず前提である財産の評価額を正確に算出することが重要です。専門的な分野となりますので、土浦相続税申告相談室へお気軽にご相談ください。
相続税の計算について
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