◼️ややこしく見える源泉徴収も、整理すればシンプルになる
源泉徴収が難しく感じられるのは、所得税だけでなく、
「納期」「預り金」「会社負担の有無」「納付先」「所管する士業の違い」など、
いくつもの要素が絡み合っているからです。
でも、役員報酬や従業員給与という視点で整理してみると、
じつは仕組みはそれほど複雑ではありません。
図をご覧いただきながら説明すると、
多くの方が「そういうことだったのですね」と納得されます。
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たとえば、役員報酬を〇〇万円と決めたとしましょう。
実際に振り込まれる金額は、
そこから次の3つが差し引かれた手取り額になります。
・所得税(源泉徴収)
・社会保険料
・住民税
この差し引いた金額は、会社の収入ではありません。
あくまで会社が「一時的に預かっているお金」です。
そのため、経理では次のような科目を使います。
・所得税 → 「源泉預り金」
・社会保険料 → 「社会保険預り金」
・住民税 → 「住民税預り金」
「預り金」という言葉がつく理由は、ここにあります。
◼️会社が負担するもの、しないもの
次に整理しておきたいのが「会社負担の有無」です。
・源泉所得税 → 会社負担なし
・社会保険料 → 会社と個人が折半
・住民税 → 会社負担なし
この違いを押さえておくだけでも、
給与計算の見え方が変わります。
納付先も、それぞれ異なります。
・源泉所得税 → 税務署
・社会保険料 → 日本年金機構
・住民税 → 各市町村(従業員の住所地)
また、関わる専門家も分かれます。
・源泉所得税 → 税理士
・社会保険料 → 社会保険労務士
・住民税 → 自社の経理担当
ここが混ざると、
一気にややこしく感じてしまうのです。
◼️納期の違いが混乱のもとになる
源泉所得税については、納期の特例が承認されれば、
・1〜6月分 → 7月10日まで
・7〜12月分 → 翌年1月20日まで
と、年2回の納付になります。
一方で、社会保険料にはこの特例はありません。
さらに住民税は、少しスケジュールがずれます。
・6〜11月分 → 12月10日まで
・12月〜翌年5月分 → 6月10日まで
源泉所得税と住民税の納期が微妙にずれているため、
ここが紛らわしく感じられるポイントです。
【メッセージ】
源泉所得税と住民税の納期のずれは、
たしかに混乱しやすいところです。
「同じにしてくれたらいいのに」
と思う場面もあるでしょう。
経理担当の方は、とくに気を遣う部分ですが、
細かい日付をすべて暗記する必要はありません。
「仕組みはこうなっている」と知っておくだけで十分です。
迷ったときは、この整理に立ち返れば大丈夫。
会社が預かっているお金をきちんと管理することは、
会社の信用を守ることにもつながります。
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