◼️扶養控除等申告書の有無で、税額は大きく変わる
毎月の給与から差し引かれている源泉所得税の金額が、
どのように決まっているかご存じでしょうか。
じつは、この点を正確に理解している方は
意外と多くありません。
ポイントは、社員から
「給与所得者の扶養控除等申告書」
を提出してもらっているかどうかです。
この書類の有無によって、
源泉徴収は「甲欄」と「乙欄」に分かれます。
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源泉徴収税額表を見ると一目瞭然ですが、
乙欄は甲欄に比べて源泉所得税額が
かなり高く設定されています。
扶養家族がいない場合でも、
甲欄が適用されると、
乙欄と比べて税額が10分の1程度にまで
抑えられる仕組みになっています。
◼️扶養控除等申告書の提出有無で手取りが変わる
たとえば、2社を経営している社長のように、
複数の会社から給与を受け取っている場合を考えてみましょう。
扶養控除等申告書は、
メインの勤務先1社にしか提出できません。
そのため、メインの会社では甲欄、
サブの会社では乙欄で源泉徴収が行われます。
これは制度上やむを得ないことです。
しかし、1社しか勤務していないにもかかわらず、
扶養控除等申告書を提出していない場合はどうでしょうか。
本来は甲欄で済むところが乙欄扱いとなり、
税額が大きく差し引かれてしまいます。
年末調整や確定申告で精算はできますが、
一時的に手取りが減るため、
社員にとっては負担感が大きくなってしまうのです。
◼️社員に不利益を出さない入社手続きを徹底する
入社時に提出してもらう書類のなかに
「扶養控除等申告書」があります。
この書類は、単なる形式的な手続きではありません。
たとえば、社員が配偶者とお子様2人(高校生・大学生)を
扶養している場合、扶養人数は3人になります。
社会保険料控除後の給与が10万円だったとしましょう。
源泉徴収税額表の「甲欄・扶養3人」の蘭を見ると、
税額は0円になります。
(「¥99,000以上・¥101,000未満」の行を見ます)。
つまり、条件によっては源泉所得税が
差し引かれないケースもあるのです。
税額表は「●●円以上・●●円未満」という
“レンジ”で判断します。
金額そのものではなく、
どの範囲に入るかを見る点が重要です。
社員本人が細かく理解する必要はありませんが、
経理・総務担当の方はこの仕組みを
しっかり押さえておく必要があります。
【メッセージ】
源泉所得税で押さえておきたいポイントは、次の3つです。
・甲欄と乙欄の違い
・金額は「レンジ」で判断すること
・入社時の書類を確実に提出してもらうこと
とくに3つ目は、会社側の管理次第です。
社員に不利益が生じないようにすることも、
会社の大切な責任のひとつです。
社長・経営者の皆さま、
そして経理・総務ご担当の皆さま、
入社時の手続きを丁寧に行うことが、
のちの安心につながります。
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