◼️社長としての意思を遺言書で示す
会社の未来や家族の安心を守るために、
あなたの意思を形に残す準備はできていますか?
社長が生前に相続対策を行う際には、
遺言書を用意しておくことが欠かせません。
なぜなら、遺言書がなければ争いの火種になってしまうからです。
とくに、大きな問題となりやすいのが
「会社の後継者」をめぐる部分でしょう。
「遺言書を書くのは大ごとだ」と構えてしまう人もいますが、
実際はそこまで重く考える必要はありません。
遺言書は「遺書」とは異なり、
もっと気軽に準備してほしいのです。
しかも、遺言書は一度書いたら終わりではなく、
必要に応じて書き直すことができます。
たとえば、65歳で作成したものを、
80歳になったときに再度書き直すことも可能です。
また、すべての財産について記載しなくても構いません。
預金だけ、不動産だけ、といった部分的な内容でも有効です。
もちろん、最終的にはすべてを決めておくことが望ましいですが、
まずはできる範囲から始めてみるのがいいでしょう。

◼️付言事項で家族への想いを伝えよう
遺言書を作成するときには、財産の承継内容だけでなく、
家族へのメッセージを
「付言事項」として記載することをおすすめします。
付言事項とは、
遺言者の気持ちや家族に伝えたいメッセージを、
自由に書き添えるものです。
法的拘束力はありませんが、
遺言者の意思や家族への想いを明確に示すことで、
相続トラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。
もし、あなたが普段厳格な父親として振る舞っているとしたら、
少々照れくさいかもしれません。
でも、本心を書き残すことで、
お子様の安心感につながることもあります。
相続においてもっとも問題となるのは、
家族間のコミュニケーション不足です。
そのためにも、ぜひ家族会議を開催してください。
あなたの想いを伝え、
率直な意見を交換する大切な場になります。
さらに、専門家などの信頼できる第三者が加わることで、
話し合いがより円滑に進むのです。
小さな準備を積み重ね、
家族と会社の安心へとつなげていきましょう。

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