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2025.9.22

監査にも成長にも強くなる、組織図と社員名簿の活用法

◼️組織図を作成して会社の基盤を築く


個人事業主として活動を始め、


その後「ひとり社長」として会社を設立するケースは珍しくありません。




では、その際に最初に整えておくべき資料は何でしょうか。


まず取り組みたいのは、「組織図」と「社員名簿」の作成です。


とくに組織図を用意することは、


中小企業にとって重要なプロセスといえます。




会社の構造を図で示すと、


社員は自分の立ち位置や役割を理解しやすくなり、


組織全体のしくみを把握する助けとなるのです。




そして、組織図をつくることで、


従業員一人ひとりの担当業務や責任範囲が明確になり、


社内のコミュニケーションが円滑になります。


その結果、業務全体の効率化にもつながります。



会社を立ち上げたばかりの「ひとり社長」の段階では、


組織図には当然「代表取締役」だけが記されるシンプルな形になります。


そして、人が増えて役割を分担する必要が出てきたときには、


第2段階、第3段階へと組織図を拡張していくといいでしょう。




企業は一気に大きくなるものではありません。


一般的には、まず社長の下に直接指示する役員を配置し、


その下に担当者を置き、


さらにその下に数名のスタッフを加える、


といった形で少しずつ組織を整えていくのが通常です。



スタッフの数が増えてきた段階では、


組織図には全員を記載しておくことをおすすめします。



◼️社員名簿を活用して調査に対応する


社員名簿とは、企業が従業員を雇用する際に


かならず作成・管理しなければならない書類であり、


労働基準法で定められた「法定三帳簿」のひとつにあたります。




この法定三帳簿には、


「労働者(社員)名簿」「賃金台帳」「出勤簿」


の3種類が含まれています。




社員名簿の作成自体は義務づけられていますが、


役所などに提出する必要はありません。



ただし、労働基準監督署の監査や税務調査では、


最初に確認される重要な書類のひとつです。


作成していないことが判明すれば、


ペナルティを受ける可能性もあるので注意しましょう。




会社の代表や役員は、


法律上は労働者には含まれないため、


本来は社員名簿の対象外です。



ただ、社会保険制度では役員も被保険者にあたるため、


社会保険事務所の調査を見据えて


名簿に記載しておくことをおすすめします。




社員名簿を作成する際は、


Excelやスプレッドシートといったツールを使うのが便利です。



決まった様式はなく、


法律で定められた必須項目さえ盛り込まれていれば、


形式は自由で問題ありません。



◼️社員名簿を最新情報に更新して従業員を把握する


社員名簿(労働者名簿)に記載する内容には、


労働基準法で義務づけられた「必須項目」と、


会社が独自に加えることができる「任意項目」があります。




必須項目として定められているのは、


氏名、生年月日、性別、住所、職歴、従事する業務の種類、


雇入れ年月日、退職(または死亡)年月日とその事由です。




一方で任意項目としては、


社員番号、役職、所属部署、連絡先、緊急連絡先、


家族構成、保有資格などがあります。




マイナンバーは、


社員名簿に直接記載する項目としては適切ではありません。


その理由は、社員名簿がマイナンバーの利用目的以外でも


参照される可能性があるからです。



そのため、社員名簿にはマイナンバーを記入せず、


該当欄には「別途保管」と明記し、


存在を示すにとどめておきましょう。


実際の番号を記載することは、絶対に避けてくださいね。




社員名簿は、労働基準法施行規則により、


5年間の保存が義務づけられています。




その起算日は入社日や名簿作成日ではなく、


退職・解雇・死亡のいずれかの日となります。


ここは誤解しやすいポイントなので、注意が必要です。




また、社員名簿は法律で作成と保管が定められているだけでなく、


自社の従業員情報を正確に把握するうえでも欠かせません。


常に最新の内容に更新し、管理しておくことが大切です。




組織図と社員名簿を整えておくことは、


あなたの会社が未来へ進むための力強い第一歩になりますよ。






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