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2025.10.13

正確な給与記録が信頼される会社をつくる

◼️社員への支払い記録をまとめる「賃金台帳」をつくる

労働基準法では、「社員(労働者)名簿」「出勤簿」と並び、

法定三帳簿のひとつとして

「賃金台帳」の作成と保管が義務づけられています。



賃金台帳は、社員への給与支払い状況や

勤務時間を記録するための帳簿です。


対象となるのは、その企業で働くすべての従業員で、

正社員だけでなく、契約社員、アルバイト、パート、

短期雇用者なども含まれます。



賃金台帳には、毎月の給与や賞与について、

社員ごとに次の内容を記載します。

・従業員の名前と性別
・賃金の計算対象期間
・労働日数と労働時間数
・時間外勤務時間数
・深夜・休日労働時間数
・基本給や手当などの種類とその額
・税金や保険の控除項目とその額

なお、役員は原則として対象外ですが、

社会保険の手続きの関係で、

報酬額を記載している会社も多くあります。



その場合は、勤務時間や労働日数は不要で、

金額欄だけで問題ありません。



◼️まずは「社長自身の賃金台帳」からはじめよう

法人成りした「ひとり社長」の場合、

まずは自分の賃金台帳を作成してみましょう。


フォーマットは、インターネットで

「賃金台帳 テンプレート」などで検索すれば入手できます。



実務的には、社会保険労務士(社労士)に相談すれば、

報酬額に応じた社会保険料を教えてもらえるため、

その金額を転記する形で作成すれば十分です。



作成後は、毎月更新し、

社労士にメールで送っておくと

スムーズに手続きしてもらえます。



たとえば1月分を作成する場合、

労働日数や残業時間は不要です。


役員報酬は1年分をあらかじめ決めているため、

報酬額を入力し、その報酬に対する

健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料を記載します。


これらの計算はプロに任せるのが安心です。

所得税や住民税の計算については、

まずは必要項目を埋めて、

毎月の更新を習慣化しておきましょう。



新しく社員を雇う際も、

この賃金台帳に追加していけばOKです。



◼️社会保険料のしくみを押さえておく

社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)は、

毎年9月に切り替わります。

これは、4〜6月の報酬の平均をもとに

「標準報酬月額」が決定されるためです。



毎年7月に提出する「算定基礎届」に基づいて

標準報酬月額が見直され、

9月から新しい保険料が適用されます。



実際の給与計算上では、

10月支給分の給与から

変更後の保険料を控除する形になります。


このような細かい対応は通常、社労士が行ってくれますが、

経営者として知っておくと、社内管理の理解が深まります。



【メッセージ】


①ひとり社長様、経営者の皆様へ

業績が軌道に乗り、従業員が増えてきたら、

賃金台帳の作成をシステム化するのもおすすめです。

更新がスムーズになり、担当者の負担も減りますよ。


②人事・総務ご担当者様へ

賃金台帳の仕組みを理解することで、

給与管理の全体像が明確になり、

誤記やミスを防ぐことができます。

正確な給与管理は、社員の信頼にもつながりますよ。



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