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2025.12.29

「修繕=経費」とは限らない

◼️ 元に戻す修繕か、価値を高める改良かが分かれ道


建物の雨漏りや、機械の故障などが起きたときには、

修理や修繕が必要になります。


その際、屋根を直すついでにトタン葺きから瓦葺きへ替えるなど、

性能や見た目をよくする工事を行うこともあるでしょう。


このように、形のある資産には、

修理や改良のためにさまざまな費用が発生します。


じつはこれらの支出は、

法人税のルール上、「修繕費」 と 「資本的支出」 の

どちらかに分けて考えられます。


もし「資本的支出」に該当する場合は、

資産の価値を高めたものとして、

資産の取得価額に加算されます。


一方で「修繕費」と判断されれば、

その修繕を行った事業年度の経費として処理できます。


そもそも修繕とは、「壊れる前の状態に戻すこと」を意味します。

たとえば、窓ガラスが割れてしまい、

同じ材質・同じ仕様のガラスに入れ替えたのであれば、

これは修繕費になります。


しかし、割れたことをきっかけに

出窓へ変更した場合はどうでしょうか。


この場合は、機能や価値が高まっているため、

修繕ではなく資産として扱われることになります。





◼️ 見た目が変われば「資産」になることも


アパートのリフォームで、

畳の部屋をフローリングに変更したケースを考えてみましょう。


「古くなったから張り替えた=修繕」と思われがちですが、

畳を新しい畳に替えるなら修繕でも、


仕様そのものを変えた場合は資産計上が正解です。


同じように、畳の日焼けによる入れ替えは修繕ですが、

まったく別の床材に変更すれば、

それは改良と判断され、資産になります。



数百万円かかるアパートの外壁塗装や、

10年に一度行う大規模修繕についても、

内容が「もとに戻す工事」であれば、

金額が大きくても修繕費となります。



判断の基準になるのは、現状回復なのか、

材質や色、仕様を大きく変えているのかという点です。



「修繕をすれば、すべて経費になる」と思われがちですが、

かならずしもそうではない、

ということを覚えておいてくださいね。


なお、この判断はとても難しく、

専門的な知識が必要になる場面も多いため、

迷ったときは顧問税理士に確認することをおすすめします。


【メッセージ】


社長さんの立場からすると、


「資産計上と経費計上、結局どちらがお得なの?」


と感じるかもしれません。


実際、そのようなご質問はよくいただきます。


ただ、ここで大切なのは、


お得かどうかを選べる話ではないという点です。


修繕か資本的支出かは、


あらかじめ決められた基準に照らして判断される


「事実認定」なのです。

もっとも、資産として計上された場合でも、

減価償却を通じて少しずつ損金にしていくことができます。


たとえば、トイレの水洗化が資本的支出と判断されたとしても、

「少額資産」に該当すれば、全額を損金にできるのです。


一度に経費にならなくても、

時間をかけて損金化できる仕組みがありますので、


必要以上に神経質にならなくても大丈夫ですよ。




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