◼️「飲食代」は誰と・どんな目的かで変わる
食事をしたときや、贈り物・ノベルティを用意したとき、
「これは交際費なのか、それとも広告費? ほかの科目?」
と判断に迷うことはありませんか?
実際、この点についてのご質問は
とても多くいただきます。
そこでわたしは、図のように
マトリックスで整理して説明することがよくあります。
飲食ひとつをとってみても、
すべてが交際費になるわけではありません。
状況によっては、厚生費や
給与・賞与に該当する場合もあります。
会社によっては「会議費」として
処理されることもあるのです。
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まず、取引先の方と一緒に食事をした場合は、
交際費になります。
一方で、取引先がいない、
社員だけの飲食の場合は少し注意が必要です。
従業員全員が参加している場合 → 厚生費
一部の社員だけをねぎらう目的の場合 → その社員への給与扱い
たとえば、
「よくがんばってくれているから」
「遅くまで残ってくれているから」
と、社長が特定の社員だけにご馳走した場合は、
厚生費にはなりません。
このような個人的な労いは、会社の経費ではなく、
社長のポケットマネーで行ってあげるほうが、
結果的に安心です。
なお、「会議費」として処理する場合は、
本当に会議だったことを示す資料(議題や参加者など)
を残しておくことが大切です。
飲食代ひとつでも、これだけ多くの
判断ポイントがあるのです。
◼️「粗品」は渡す相手と目的がポイント
粗品についても、基本的な考え方は飲食代と同じです。
取引先への記念品であれば、交際費となります。
一方で、会社の10周年・20周年といった節目に、
社員全員へ記念品を配る場合は厚生費に該当します。
ただし、永年勤続表彰などで
「この人には渡すけれど、あの人には渡さない」
という形になると、特定の従業員への贈与とみなされ、
給与扱いになってしまいます。
そのため、
「この条件を満たした人には記念品を渡す」
というような規程をあらかじめ決めておくことが大切です。
また、社名入りのボールペンやティッシュを
街頭などで不特定多数の人に配る場合は広告費になります。
しかし、ある程度高価なものを
得意先だけに渡す場合は、交際費となります。
外向けの配布物は、
「不特定多数か」「特定の取引先か」
この違いを意識しておきましょう。
◼️「タクシー代」「旅行代」も目的で判断する
タクシー代については、
取引先の方を接待したあとの
帰りの足代であれば交際費です。
「タクシー代=旅費交通費」と
思い込んでしまう方もいますが、
お得意先のために使った場合は、
交際費になる点に注意しましょう。
一方、職場間の移動など、
業務上の移動で使ったタクシー代は、
もちろん旅費交通費です。
旅行代も同様です。
取引先の接待として同行した旅行であれば交際費、
仕事の出張であれば旅費交通費となります。
社員旅行の場合は、
従業員全員分の交通費を会社が負担し、
参加者が半数以上いること。
この条件を満たせば、厚生費として認められます。
なお、社員旅行に参加できなかった人へのお土産代は、
残念ながら厚生費にはなりません。
「行けなかった人がかわいそうだから」と思っても、
厚生費として認められるのは旅行そのものだけです。
もちろん、社長が個人的に
ポケットマネーでお土産を用意する分には、
給与扱いになることはありませんので、
その点はご安心ください。
【メッセージ】
① 経営者の皆さまへ
「食事したから、処理しておいてね」と領収書だけを渡されても、
経理担当者は内容がわからず、判断に迷ってしまいます。
誰と行ったのか、相手先の会社名や部署、氏名などを、
領収書の余白にひとこと書いておくようにしましょう。
② 経理・総務ご担当者さまへ
先ほどの図や考え方を参考にしながら、
内容が不明な場合は、
要点を整理して社長さんに質問してみてください。
社長さんは日々、多くの判断やプレッシャーを抱えています。
できるだけ負担をかけない聞き方を意識しましょう。
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